日本に10年以上住んでいるのに永住資格を取得できないのはなぜ?

中国人のAさん(35歳)は、22歳の時に日本に留学生として来日し、専門学校を経て日本の貿易会社に入社しました。入社3年目で半導体製造装置のフレームを製造する会社に転職し、今年で7年経ちました。昨年3年の在留資格をゲットできて、次は永住資格を取得しようと思っています。どんなことを注意すればよいですか?

【ポイント】

  • 現在持っている在留資格が3年→取り合えず現行法上は5年でなく3年でも大丈夫。
  • 年収は?→独身ならできればコンスタント、ダメでも年収上昇傾向で過去3年で平均300万円以上は欲しい。
  • 貯蓄も最低100万円は欲しい。
  • 一番大事なのは「永住理由書」

【解説】

 私の場合は、永住資格の依頼を受けた場合にはお客様に会う前にお客様自身で入管サイトの「永住許可申請セルフチェックシート」を予め受けていただくことにしています。理由は取得できる見込みがないのに仕事を引き受けるのはお客様をだますことだと思っているからです。ですので、セルフチェックシートで永住資格を取得できる見込みが乏しい場合は、私はできるなら永住資格取得のためのポイントを改善してから再度申請するようにお願いをすることにしております。

 とは言え、前述一番大事な「永住理由書」で逆転するためにチャレンジする場合には行政書士個人の能力以外に、お客様の努力も必要となります。学生時代からどんなことをしてきたのか、それが日本とどうつながるのか、仕事が日本でなくてはならない理由、仕事場での特に上司からの評価、日本に対してどのような貢献ができるかといったお客様の人生そのものが永住につながる説明をしなければなりません。会社の上司やお友達にお願いすることもあるはずです。私もサラリーマン時代に上司として永住申請の保証をしたことがあります。日本にとって有益な存在であることを証明できれば、セルフチェックシートでの劣勢を逆転できる可能性があります。

 私はお客さまとの共同作業で永住資格を取得する在留資格「永住者」の仕事が得意です。ぜひ、永住資格を取得したいという方がいらしたら、ご相談ください。